スーホの日記

これからの人生のために!

映画『サンドラの小さな家』

longride.jp

 

パンフレットに記載されている通り、イギリスのケン・ローチ監督の作品を彷彿とさせる映画でした。主演している新生クレア・ダンが企画・脚本もこなしているとのこと。

 

この映画を見て強く感じたのは自分の発する言葉に責任を持っているか否かがその人の人格を左右するということ。

 

DV夫は「俺は変わった」と簡単に言うけど全然変わらず、「行けるかどうかわからない」と答えるママ友はボランティアに駆けつけてくれる。最初は断るけど後に現場監督を引き受けたエイドは、最後までボランティアで仕事を完遂します。

 

人によって言葉の重みは違うけど、言行が一致している人は誠実。

その誠実さは自分自身に対する誠実さでもあると思いました。

自分に嘘をついている人は、誠実には生きられない。

 

ボランティアでサンドラの小さな家の建設を手助けしてくれる人達はみんないい人。結婚生活で苦しい思いをしたからこそ、サンドラは人を見極められるようになったのか、小さいけれども一軒の家を建てるという大事業にボランティアで参加するということが人を見極めるためのふるいとなったのか、は定かじゃないけど、夫から離れて暮らすサンドラの周りにゆるくつながる誠実な人が集まり始めることが、今後のサンドラの人生の希望の光となります。

 

この映画の中にはたくさんの仕事やたくさんの職場が描かれていて、仕事において本当のプロとは何かということもサンドラの家が作られていく過程と共に提示されます。

 

夫との争いで登場する裁判官や弁護士、現場監督を引き受けてくれたリフォーム業者のおじさん(エイド)、資材を購入するホームセンターの店員、自分で小さな家を建てる設計をネット上で公開する建築士、医師だったペギー、サンドラが清掃の仕事で訪れるバーの経営者、サンドラが寄宿するホテルマン、サンドラを担当するソーシャルワーカーなどなど。指示されたことをするだけの人もいれば、柔軟に対応してピンチのときには手を差し伸べてくれる人、仕事への向き合い方も人それぞれ。自分の世界を拡げるためには、枠をはみ出していく力が公私ともに必要なんだな~ってことがこの映画の全編から伝わってきました。

 

ゆるくても信頼できるつながりが自分の周りにあることが豊かに生きるコツで、そういう関係が重層的に存在する社会が豊かな社会なんだと思いました。

 

 

 ケン・ローチ監督の作品の紹介はこちら↓

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