楠木新『転身力』
夫婦共にあと何年かで60歳を迎えます。
これから先のことを、どうしてもあれこれ考えてしまうこの頃。
そんなタイミングで図書館でこの本を見つけて借りてきました。
有名人に限らず市井の人など、様々な人の転身が紹介されていてなるほどなぁと思いました。この本を読んで一番うなずいたのは、この気付き。
既存のシステムをそのまま取り入れるのか、それともそれ自体の意味を問い、疑う姿勢を持つのかの違いと言ってもよいかもしれない。中高年以降になると両者のどちらかに分離していく傾向がある。既存のシステムやモノサシの是非について深く考える人や疑問を抱く人は、組織の中ではエリートにはなり得ない。
また既存のシステムやルールを疑っていない人は、自らの関心が収入(お金)や役職など限定的になりがちである。・・・(P.82)
そうなんですよね。
私の身近にいる再就職組の方は明らかに後者で、しっかり者だけど省エネタイプ。職場での身の処し方をマスターしているので要領はいいけど、一緒には組みたくない人。なぜそういう働き方をするか疑問だったけど、この文章を読んで腑に落ちました。
仕事について悩んだり、わからないことにぶつかって右往左往したり、仕事に無駄にエネルギーを注ぐことはエリートのすることではないかもしれないけれど、個人的にはいいことなんじゃないかなって思いました。だって、一生懸命、体当たりでやるからこそ見えてくるものが私にとっては財産になってるって思うから。
仕事に対する考え方一つとってもいろいろな人がいます。
この本を読んで転身力の高い人でパッと思い浮かんだのが紗栄子さん。
タレント、モデル、実業家と華麗なる転身を続けています。
著者の楠木さんが掲げる転身の三条件をクリアしている点にも注目。
転身の三条件と行動
①実行、行動できる(フィードバックを受ける)
②自分を語ることができる(自分自身を客観視する)
③大義名分を持つ(主体的である) (P.42)
華々しさはなくてもいいから、私もこれから泥臭く地道に転身していきたいです。
そのためには、とりあえずやってみることの大切さを改めて教えられました。