映画『スイング★ステート』
ただ大笑いしたくて見に行ったのですが、見終わった後は、シリアスな気持になりました。
アメリカの田舎の町長選挙に民主党の選挙参謀ゲイリーが関わり、対する現職市長側に共和党のやり手女性選挙参謀がつくことで、「仁義なき代理戦争」が勃発。
ニューヨークやワシントンDCから大金が集められ、どちらの陣営も負けられないドロドロの選挙戦に突入する顛末を描いた作品です。
地方と都会の金銭格差が浮き彫りになって、地方在住の私はあんまり笑えませんでした。
お金ってあるところにはあるんだなぁという印象。
あるところにあるたくさんのお金は、これといった使い道もなく、気分次第で流れていく。だけど本当にお金が必要な人達の所へは、簡単に流れていかないところが難しいところだなぁと思いました。
民主党も共和党もやっていることは大差なく、映画の中で主張されている大義も現実としっかりと結びついているとはいえず、ゲイリーが笑えないジョークを連発する度に、見ている私もゲイリーや民主党から心が離れていく感じを味わいました。ただ勝利のために策を練って騒いでいるだけに見えてしまって、政治というものに失望すら感じました。
だけど見終わってみると、見ている人にそう思わせることこそがこの映画の狙いだと気がつきます。
私たちの感覚とは、ずれている、選挙参謀という人達を風刺する楽しい映画を作れる間は、まだアメリカも大丈夫ということなのかもしれません。