スーホの日記

これからの人生のために!

映画 『道』

高橋大輔選手は今回(2019年)のフィギュア全日本選手権が「シングル最後」の試合。お疲れ様でした!  

高橋選手といえば “道”

バンクーバーオリンピック(2010年)での素晴らしいスケートが印象に残っています。

ということで、録画していたイタリア映画の『道』をテレビで鑑賞しました。

 

高橋選手はもの悲しい旋律のテーマ曲に合わせて、コミカルな道化師?をのびやかに演じていました。だから『道』という映画は大道芸人の話だとなんとなくわかってはいたのですが、実際の映画は高橋選手の演技とは裏腹に暴力を振るう粗野な大男(ザンパノ)が主人公の映画でした。

 

力自慢で一匹狼の大道芸人ザンパノがピュアな若い女性(ジェルソミーナ)を、母親にお金を渡して預かり、楽器や芸を仕込みながら呼び込みの仕事をさせて旅の道連れにするという話。

 

横暴なザンパノに振り回されながらも逃げ出すこともできず健気に従うジェルソミーナ。暴力を振るわれて悩みながらもザンパノについていく姿が健気。途中合流したサーカス団や立ち寄った修道院の人達にここに残らないかと誘われるのだけど、結局はザンパノに対するほのかな愛の期待ゆえに断ってしまう。実はそれが人生の分かれ道。

 

ザンパノはジェルソミーナのことにはお構いなしに思うままに行動。結局は悲劇的な結末に向かってゆくのです。見ていると、現代のモラハラパワハラ被害に通じる状況を映し出しているように思え、考えさせられる映画でした。

 

暴力はいつか悲劇をもたらす。自らの暴力性に気付くには、何らかの犠牲が必要なのだけど、犠牲を払うのは決まって、自分自身ではなく周囲の優しい人たち・・・

悲劇で終わらせないためにも、人は賢く、強くならなければならないって思いました。

それは暴力を振るう側も振るわれる側にもあてはまる生きるための教訓。

 

映画の中で修道女が「一つのところに長くいないようにする」のが修道院の規則だと話していました。人として健全な気持ちを維持するためには動くこと、変化することは大事なこと。人との関係も二人っきりの閉鎖的な世界にこもってしまうと感情的なもつれや従属関係が生じてしまうので、たくさんの人とのかかわりや、メンバーを入れ替えることで固定的になりがちな関係性を更新して風通しをよくする、そんな工夫が大事だな、と感じました。

 

スケートで 高橋選手が演じたのは、サーカス団にいた綱渡りをする道化師風の男なのですが、彼は、ザンパノとは犬猿の仲。ザンパノをからかう一方、ジェルソミーナには優しい言葉をかけて励ましてくれる、木漏れ日のような柔らかい光みたいな男。おちゃらけていて、落ち着きもないけど、スッと心に入ってくるような優しくて寂しい男。そんな男を高橋選手はスケートで表現してたのか! と今更ながら思いました。

 

スケートの世界って奥深いんですね。そこが単なるスポーツに終わらないスケートの魅力。映画では脇役だった道化師の男をスケートの世界で力強く表現したことに勝手に意味を感じて感動している私です。

 

アイスダンスに転向してもがんばってください!

 

 

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