映画『どん底作家の人生に幸あれ』
高校時代にこの映画の原作 ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』を読みました。長編小説を読み切ったという達成感は覚えているけど、中身はまったく忘れてしまっているので、この機会に映画を見てきました。
そしたら、すごく楽しい映画で、2時間があっという間。
主人公(実はディケンズ本人がモデルらしい)の波乱の人生が描かれているのだけど、登場人物全員が個性的で、その人たちの人物描写とそれぞれの辿る人生模様が主人公の人生と織り合わさって、ひとつの見事なお話になっています。
主人公の人生はとにかく波瀾万丈。いいことがあれば悪いこともあって、その振れ幅が半端ない。美しい母と幸せに暮らしていたのに、母の再婚で家から追い出され工場労働者に。貧乏な境遇から一転、裕福な伯母の援助を受けることになって、ほっとするのも束の間、伯母の破産で再び一文無しに。作家になって成功するまで、運命に翻弄され続けます。それでも、ユニークで自由な人たちに囲まれて自分の人生を受け入れて明るく生きるディヴィッドの姿を見ているとこちらも勇気が湧いてきます。失敗した~!といつまでもくよくよ思っているよりも、周りの人の力を借りて、できることをしていれば、その内、運も回ってくるものなんだな~って思いました。
性格がひねくれている人は大成しないし、フワフワと生きているお坊ちゃまは肝心のところで無責任だったりして、運命の大きな流れには逆らえないけど、一人一人の個性や努力の相違で進んで行く道は決まっていくものなんだなぁということがわかって、その点は興味深かったです。この映画は人生訓みたいなものを軽やかに描いています。
行動すること、人と関わること、自分の得意なことをみつけてその能力を活用することが成功の秘訣かな。自分の近くにいる面白い人たちや面白いことを自分の力で発掘してみようという気持ちになりました。今まで見過ごしていたものの中に大事な何かが隠れているかもしれません。決めつけるのはやめて、もっと豊かに自分の人生と周りの人を眺めてみようと思います。そんな私にも幸あれ!