スーホの日記

これからの人生のために!

『anone』 最終回。

考えていた展開とは違う形での最終回だったドラマ 『anone』。 悪の象徴のような中世古さんが本当はいい人で、全ての罪を背負う形で刑に服して終結してしまった!

これってハッピーエンド? なのかどうかもわからず、今まであまり意識してなかった中世古さんについて考えざるを得なくなりました。

考えてみると、中世古さんは、IT社長の座を奪われるずーっと前から自分の居場所がない人で、優しくてかわいい奥さんと自分の子どもも彼にとっての救いとはならず、半ば強制的に人を巻き込んで始めた偽札作りの場がはじめてできた彼の居場所と呼べる場だったのかも。

あれほど偽札作りに執心していたのに、お金の使い方には現実味がなく、実はお金に対してはあまり興味がなかったと思えてしまう。彼が長い間抱いていた罪悪感のようなものを、偽札づくりを通して他の誰かに背負わせることで、自分が少し楽になりたかっただけなのかなぁって思っちゃう。

誰かに自分の罪を背負ってもらうことで、やっと自分自身と向き合うことができて、自分と向き合うことができたからこそ、一人で旅立つことができるっていうことなのかしら。お金があっても人は自由になれるわけではなく、居場所があって初めて自由になれる。その居場所は家族という場に限らず、学校や会社でなくてもよくって、自分が居場所だと感じられればそれが居場所になるんだね。だけど、居場所は無条件で自分を受け入れてくれる場所じゃなきゃダメなので、人を信じられない人はいろいろな形で他人を試して本当の自分にとっての居場所なのかを確認する。そんな面倒くさい登場人物を描いたドラマだったのかな、 『anone』 は。

だから、やっぱりこのドラマは大人の童話だったのかもしれません。ハッピーエンドだけど、受け取り方は見る側にゆだねられていて、いろいろな解釈ができるわけで、そんなことからもやっぱり大人のための童話だったんだなって思います。