私は 「箱」 に入っている?
夫が指を怪我した。
絆創膏でぐるぐる巻きにしているから風呂の蓋がうまくしめられない。
風呂場から、バターン! と大きな音。風呂の蓋が床に落ちた・・・みたい。
呼ばれなかったので、駆けつけることはせず、リビングでそのままテレビを見ていた。
戻ってきた夫に「大丈夫?」
と聞いたら「大丈夫」との返事。
「風呂の蓋落っことしたでしょ、大きな音が聞こえてきたよ」
「うん。指が使えないから蓋がうまくできなかった」
「呼んでくれたら行ったのに」
「本当に来る?」
「呼ばれれば行きます。逆に私が呼んだらすぐに来てくれる?」
「行きますよ、行かなかったことある?」
「いっぱいあります!」
「本当にそうかな。君はいつも決めつけるから。そうじゃないときもあると思うよ」
険悪な雰囲気。
どんなに些細なことでもけんかにつながる。
夫とのコミュニケーションは難しい。
私の中に蓄積した不満が夫の言葉に反応して不意に顔を出す。
イライラ。イライラ。
これって、もしかして、私が自分の小さな「箱」に入っているから?
アービンジャー・インスティチュートの本を読んで思いました。
自分への裏切り
1 自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を、自分への裏切りと呼ぶ。
2 いったん自分への感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点からみるようになる。
(『自分の小さな「箱」から脱出する方法』P.119)
これだけだと何のことかよくわからないかもしれません。
自分の感情に背いていると、自分を正当化するような見方で自分自身を見るようになる。そしてそのイメージを、状況が変わっても持ち続ける。だから状況が変わっても相変わらず箱の中に入っているわけ。人を人としてまっすぐに見られず、自分で作り出した自己正当化イメージを通してしか見られなくなっているの。相手が自己正当化イメージを脅かすような動きをすると、脅威だと感じるし、自己正当化イメージを強化してくれる人々のことは、味方だと感じる。そのイメージにとってどうでもいい人々のことは、どうでもいいと見なす。どう見るにせよ、相手は単なる物であって、自分自身はすでに箱の中に入っている。
(『自分の小さな「箱」から脱出する方法』P.145)
わかりやすい部分を引用するとこんな感じで「箱」のことが説明されています。
夫との争いは、いつも些細なことから始まって、同じようなパターンの繰り返し。
お互いに傷つけ合って、発展性もない泥仕合。言い争いの後はいつも落ち込んで反省するんだけど、その反省が次にうまく生かされていないみたい。結局私が私の思う通りに行動できていないことがイライラの原因なのかもしれなくて、そのイライラを夫にぶつけているからけんかになるわけで、あくまでも自分の感情の問題だから、自分で収めなきゃいけないことなんだ!とこの本を読んで思いました。
他の人に対してすべきことをしなかった時だけでなく、自分でしたいと思ったことをしなかった時も自分への裏切りが行われていることになるんだね。そんな自分を裏切ってばっかりの自分が身についちゃって、自分へのイライラを身近な人への不満とくっつけて心の中で整理して片付けているのかもしれません。
こんな症状から脱却するためには自分の感情を裏切らないことと相手を一人の人間として尊重することが大事。
「君はいつも決めつける」
という夫の言葉は、あながち間違いではないみたい。
でも、夫が私を人として尊重してくれてるかについては、日頃より疑問を感じてたので思い切って ‘箱’ の話を夫にしてみたら、
「君はいっつも、その時読んだ本に影響されて俺を判断しようとするよね」
と言われてしまった。これも、当たってる!!
「箱」から出入りするのはあくまでも自分だけの特権。
人を「箱」から出そうとすると失敗します。
まずは、自分のちょっとした思いを大切にして、自分のために行動していきましょう!
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則 感情に振りまわされない人生を選択する (きずな出版)
- 作者:アービンジャー・インスティチュート
- 発売日: 2014/05/20
- メディア: Kindle版
「箱」の話を物語りでわかりやすく表現してくれてる本です。
決定版 なんで (自分の小さな「箱」から脱出する方法』よりも洗練されていて、箱からの脱出方法の説明がたくさんされています。
ご参考まで。