映画 『はじめてのおもてなし』
おもしろかった! 笑った! 誰かに勧めたくなる映画です!
子ども二人 (長男は多忙な弁護士、長女は自分探し中で何度目かの大学生) は独立し、夫婦二人で大きな家に暮らしている主婦アンゲリカが主人公。夫は医者で、エコや健康に気配りする裕福なドイツ人。平穏に暮らしているように見えるけど、実は家族四人それぞれが悩みを抱えています。
アンゲリカがナイジェリア人の難民ディアロを自宅に預かることから、騒動が勃発。それをきっかけに家族それぞれが抱えていた悩みが表面化。騒動を納めようと行動するうちに、いつのまにか家族の絆を取り戻していくというストーリー。
自立しているように見えても、誰もが誰かの手助けや関心を必要としているものなんだ! と思いました。年齢とは関係なく、誰かにケアされている、気にかけてもらえているという感覚は、とっても大事。そして、悩みってやつは、自分で解決するもんじゃないのかもしれないっていうのも大きな発見。悩みながらも行動することで、状況や環境や人の考え方までも変わっていくものなのかも。この映画では変化のきっかけは難民のディアロだったけど、何らかの変化をどう受け止めるかで人生は変わっていく。良い方向に進むには、変化を自分なりに受け入れていくことがカギになるのかな。
変化を受けいれるには教養やゆとりといったものが必要で、それらは必ずしも金銭的なもので測られる訳ではないけれど、ある程度の心の余裕がなければ、どうしてもネガティブな感情に支配されてしまう現実もこの映画では語られています。そう考えるとやっぱり教育は大切。
人と人がつながることは、生きていく上で不可欠なことで、人と人のつながりがたくさんある社会が豊かな社会と言えるんじゃないかな。つながりは、家族のような太い絆に限らず、学校の友達や先生、職場の同僚や上司、旧友、公共機関、NPO法人、店員とお客さんなどちょっとした結びつきでもOK。ちょっとした結びつきがたくさん集まれば立派なセーフティネットになるんだよね。
たとえば、夫との関係や子どもとの関係がうまくいかないから不幸という訳ではなく、誰かとの関係を修復するために一点集中でその人に力を注ぐよりも、別のたくさんの関係を自分のまわりに構築することで新しい発見があって楽しく暮らせたりするものかも。今は人と人とのつながりが国境を飛び越えていく時代なんだってこともわかったし、楽しいだけじゃなくたくさんのことを伝えてくれる映画でした。