スーホの日記

これからの人生のために!

韓国ドラマ『マイ・ディア・ミスター~わたしのおじさん~』

 

 

いいドラマでした。

勤務先の建設会社の社長と妻が不倫してる!

そのことを知って苦しむ心優しいおじさんを中心に描かれるヒューマンドラマ。

 

主人公のおじさん。実は3兄弟の次男で、長男も三男もドラマの最初の頃は無職でグダグダ。長男は妻と別居していて三男は一度の失敗をひきずる元映画監督。この二人が憎めないキャラクターでシリアスな内容に笑いをもたらしてくれます。彼らの周りには昔なじみがたくさんいて、いつも元同級生のやってる飲み屋で集まって酒を飲んで騒いでいます。お金持ちではないけれど、みんな楽しそう。

 

そんな日常に登場するのが、主人公(パク・ドンフン)の部署に配属された派遣社員イ・ジアン。多額の借金を抱え、介護が必要な祖母もいて、幼なじみの借金取りにつきまとわれながらも懸命に生きる彼女をひょんなことから手助けするようになるドンフン。その二人の関わり方がとても素敵でした。

 

寄りかかるわけではなく、突き放すわけでもなく、二人の絶妙な距離感がこのドラマを大人のドラマにしているんだなぁと思います。

尊敬と恋心。微妙に揺れ動く二人の関係がドラマを見ている私をせつない気持ちにさせます。

自分で考えて自分の道をしっかりと生きている二人の姿がとてもよかったです。

 

あー!と思ったのは最終話。

うだうだしていた三男が映画のプロットを再び書き始めることになるのですが、その前にお兄ちゃんのパク・ドンフンに是枝裕和監督の『誰も知らない』について語る場面があります。最初に見たときはつらくて映画を最後まで見れなかったけど、映画人として見るべきだと翌日再び見に行って、こどもたちがたくましいこと、人間には自然治癒力があることに気付いたと語る場面です。

 

まとめたくはないけれど、きっとこれがこのドラマのテーマなのですね。大人の世界を描いていたようで、実は子ども達の世代(イ・ジアンとその友だち)の成長物語でもあったんだなぁって最後にわかってちょっとびっくりしました。

 

『誰も知らない』で描かれた日本の貧困は世間と隔絶されてたけど、このドラマで描かれていたのは、地域のおせっかいな人々の濃厚なつながりでした。

 

日本と韓国、ドラマと映画。いろいろな作品が影響し合って、次々と素晴らしい作品を生み出していく流れみたいなものがこのドラマにも感じられて興味深かったです。