スーホの日記

これからの人生のために!

知識人

荒木優太 『これからのエリック・ホッファーのために』 の中で紹介されている16人の在野研究者のうち、小室直樹南方熊楠小阪修平は前歯が欠けていた!
在野研究者は前歯を折ってこそ一人前である。(P.226)
このフレーズに私は感動しました。だって、私も転倒して歯を折ったから。今は、歯医者さんで新しい歯を入れてもらいましたが、時々違和感を感じるし、自分の不注意で歯を折ったことを思い返しては後悔してたので、この文章を読んで嬉しくなりました。在野研究者になればいいんだって思っちゃった。 私が考える在野研究者像は、エドワード・E・サイードの"知識人"。
知識人とは亡命者にして周辺的存在であり、またアマチュアであり、さらには権力に対して真実を語ろうとする言葉の使い手である。  (『知識人とは何か』 P.20)
真実を語ろうとする人であれば、専門家でなく、アマチュアでも知識人になることができるって処がステキ。 だけど、在野研究者の代表的人物<沖仲士の哲学者>エリック・ホッファーは"知識人"を嫌っていた。
私のいう知識人とは、自分は教育のある少数派の一員であり世の中のできごとに方向と形を与える神授の権利を持っていると思っている人たちである。知識人であるためには、良い教育を受けているとか特に知的であるとかの必要はない。教育のあるエリートの一員だという感情こそが問題なのである。 (『波止場日記』 P.2)
『現代という時代の気質』にも知識人への批判がたくさん書かれていた。 でも、サイードとホッファー、二人の目指していた方向はそんなに変わらない。知識人と呼ばれる人たちの中に少なくとも二種類の人がいるということ。一方は、教えたがりで重要視されたいために表現をしている人たち、もう一方はアマチュアだけど自律していて既成概念に囚われない精神を持ち続けている人たち。心持ちは違っても表現されているものは紙一重。表現されたことから違いを見極めることが大事。 【参考文献】