スーホの日記

これからの人生のために!

ジェフリー・ミラー 『消費資本主義!』

消費は人間の見せびらかしたい願望が原動力。 見せびらかして、周りの人に自らの優位性を誇示し、物事を有利に展開させるために消費がある。 または、そういう風に消費している人がいる。 そういう風に行われる消費によって経済が成り立っているのが "消費資本主義!"  だという著者の指摘は鋭い。 その考え方だとスーパーカーに乗ったり、ゲームのアイテム購入に大金をつぎ込んだり、必要以上にお金にこだわる人が多いことの説明がつく。 だけど、お金って、消費ってそういうもんだよねって見切ってはいけないし、そうじゃないもっと大事な側面もあることを大事にしたいと思う。著者もそう思っていて、"消費資本主義!" への処方箋を記している。
とどまるところを知らない消費主義だけでは、自己愛と熱狂と疎外以外には大して手に入らない。(P.448)
 短期的なとどまるところを知らない消費主義を奨励する所得税から、もっと長期的な倫理的投資・慈善・社会資本・近所どうしの暖かいつきあいを奨励する消費税に転換する必要がある。  なにより、考えを同じくする人たちを選んで暮らし、独自の価値観と規範をもったもっと多様な地域社会を確立し、独自な賞賛と処罰の方法で維持していく自由が必要だ。(448)
消費について考えることは、自分の生き方を問われるということだ。 それは正しく消費せよということではなく、あなたは、どういう思いで生きているのですか? という確認が消費の前に求められるということのように思う。